
とっつきやすさと奥深さを併せ持つ、幅広い層に受けること間違いなしの新作SRPG。何をきっかけに始めても満足できる傑作。
ボリューム…★★★★☆
選択した難易度次第ではあるが、筆者はストーリーをクリアするのに約50時間程度。道中ふざけたビルドを作成して遊んでいたが、それを含めると+10時間。クリア後や2週目もまた違った遊び方ができるため、遊べるボリューム量はかなり多いと言える。
難易度…★★★☆☆
幅広い難易度選択ができるため、そこまで遊ぶときに難易度について悩むことはない。ストーリーを見たいだけの人向けから歯ごたえの欲しい人まで、きちんとカバーできており、かなりいい難易度設計になっていたと思う。
良かった点
- ビジュアル
ヴァニラウェア産のゲームは毎回特徴的なビジュアルでゲームを印象づけているが、今回もその要素はしっかりと引き継がれ、キービジュアル等をきっかけにこのゲームを知る人もいたかと思う。
- ゲームシステム
各SRPGの色が出て、かつキモであるゲームシステム部分。本作はこの部分もかなり練られており、最初はなんとなくの理解でも進められるが、後半や寄り道要素を遊んでいくにしたがってシステムへの理解が求められるようになる。そのシステムについて気づきを得た時のカタルシスがかなり気持ちよく、「○○ってことはこういう編成なら強いんじゃね?」とか「このキャラはこの装備と相性がいいのか?」などの気づきがあるたびに実際に試してみたくなり、その試した結果によってさらに疑問が湧いてくる。
このループによってゲームに詳しくなり、さらに自分の理解で一つの正解を見つけられたときの快感はひとしおで、本ゲームの醍醐味である。SRPGプレイヤーは特にこの正解感を見つける楽しさを感じられるだろう。
総評
ゲームの中ではメジャーなジャンルとは現在言いづらいSRPG。そのSRPGにあえて新作を投じて完成度も仕上げてきたゲーム。アトラス・ヴァニラウェアのコンビは毎度別システムのゲームを作るため恐らく来ないが、もしあるなら続編も見てみたい、そう思わされた。